WHAT IS LIFE?

2/27(Thu) ~ 3/2(Sun) 11:00 – 18:00
Artist-in-Residence 賀茂なす


《サカエマツ》 則松夏凜


Artist-in-Residence 賀茂なす

則松夏凛は、人間がゲノム編集を行うことで植物が変容した新しい生命体「機械植物」を博物画の体裁に則って描くアーティストである。それはどこか遺伝的に不完全な形態をしていることが多く、生殖器を持たない状況でさえ繁殖を続けているようにみえる。その生き様からは1944年に刊行された物理学者エルヴィン・シュレディンガーの書籍タイトル『生命とは何か』を彷彿とさせる。常に無秩序や混沌に向かってゆく熱力学第二法則の中で、秩序と均一性を何世代にも渡って保つことができる生命の遺伝。それを改変する遺伝子組み換えの未来と、それでもなお抗うように持続する生命の種々。シュレディンガーが放った問いは、アーティストが描く「機械植物」によって更なる問いを内包しながら鑑賞者のもとに差し向かう。

本展覧会は、『生命とは何か』根源的な問いを再考しながら、博物画として描かれる「機械植物」や普段制作に使用している資料などを一堂に展示する初個展となる。目の前にある対象をあるがままに観察する制作の姿勢は、植物画家兼昆虫研究家のマリア・ジビーラ・メーリアンや、植物学者の牧野富太郎らの影響を見てとれるが、そこから空想の世界にも踏み入るアーティストの思考を深く知るためには、より多角的な理解が求められるだろう。会期中は滞在制作も実施し、作品の手掛かりを鑑賞者が間近で掴むことができる機会を目指す。窓から差し込む光に満ちた展示空間で、私たちの身体はどんな応答を拾うことができるだろうか。

キュレーター:谷口雄基

日 時 2/27(Thu) ~ 3/2(Sun) 11:00 – 18:00
会 場 Artist-in-Residence 賀茂なす
京都府京都市下京区下長福寺町276
(酒とこおり ばんくす 2F)
展示作家 則松夏凜
問い合わせ先 kamonasu-management@ylabs.co.jp