imperceptible portraits

3/2(Thu) ~ 4/3(Mon) 11:00 – 18:00 休館日:火曜日・水曜日
千總ギャラリー


《zodiac》2019


《Ghost in the Cloth(ナイフ)》2020 撮影:澤田華


《unreadable letter(読めない手紙)》2022


千總ギャラリー

2023年度千總ギャラリーテーマ 『何を見ないか』は、<柄を染めるということは“柄に色をつけること”と理解されることが多い。しかしその本質は、いかに柄以外のところが染まらないようにするか、ということにある。生地に色を付けるだけなら染料をつければ勝手に染まってゆくものを、意図して染めない部分をつくることによって形を表すことができ、柄は生み出される。・・・中略「見ないもの」に意識を向けることで「見る」ことを考える>といった着物の柄からの着想だというお話を伺った。

その際、今回の展覧会タイトルについた“portrait”という言葉を思い浮かべた。美しい京友禅を纏った女性。昔から日本画などに描かれているそのような美しさの背景にどのような「見ないもの」があるのだろうと想像した。

そこで今回、タイトルを“imperceptible portraits”とし、笹口数・本山ゆかり・吉田紳平3名のアーティストによる展覧会を企画した。この3名によって作られる作品は必ずしも“portrait”と定義されるものではない。“imperceptible”とは、感知・知覚することがほぼ不可能なほど小さい、僅かな状態を指し示す形容詞であり、おそらく通常“portrait”とは繋がることはあまりない言葉かもしれない。ただ、この3人による展覧会を“imperceptible portraits”と名付けることによって新しい“portrait”の可能性が見えてくるのではないかと思っている。つまり、表層に表れている外形的なものを記したものではない、それらを裏側で支えている「見ないもの」が形作る新たな“portrait”。それを“imperceptible portraits”と呼んでみたい。

(池田光弘)

笹口数

1962年東京都生まれ、京都府在住。ロンドン芸術大学チェルシー・カレッジ・オブ・アート・アンド・デザイン大学院修了。見えていないもの、眼前のイメージの背後にあるものをモチーフとした様々なメディアでの制作をしている。2005年ポロック・クラズナー・ファンデーション グラント受賞、2004年「六本木クロッシング」オーディエンス賞など

本山ゆかり

1992年愛知県生まれ。2017年京都市立芸術大学大学院美術研究科油画専攻修了。絵画をつくる/鑑賞する際に起きる様々な事象を解体し、それぞれの要素を見つめる作業をしている。主な個展に「この世、受け皿」(Yutaka Kikutake Gallery、東京、2022)など。展覧会に「愛知県美術館 2020年度第3期コレクション展 」(愛知県美術館、愛知、2020)などがある。
協力:Yutaka Kikutake Gallery、一般社団法人HAPS

吉田紳平

1992年奈良県生まれ。2014年京都造形芸術大学を卒業。絵画を主なメディアとし、現在は東京を拠点に活動。静かで控えめな色彩のポートレートを描いている。2018年にドイツのアーティストランスペース〈FRISE〉にてアーティストインレジデンスに参加。以降はファウンドフォトを題材にした色鉛筆によるポートレートシリーズや、自身のプライベートな体験から着想を得たインスタレーション作品を展開している。

日 時 3/2(Thu) ~ 4/3(Mon) 11:00 – 18:00 休館日:火曜日・水曜日
会 場 千總ギャラリー – gallery2
京都市中京区三条通烏丸西入御倉町80
協力 Yutaka Kikutake Gallery、HAPS
企画 池田光弘(画家・京都芸術大学准教授)
展示作家 笹口数、本山ゆかり、吉田紳平
入場料 無料
主催 千總ギャラリー
問い合わせ先 千總本店(075-253-1555)