1996年兵庫県生まれ。2019年京都造形芸術大学油画コース卒業。現在同大学院、彫刻・立体造形領域在籍。
学歴
2019
京都造形芸術大学 美術工芸学科 油画コース卒業
2019-
京都造形芸術大学大学院 美術工芸領域 彫刻・立体造形分野 在籍
グループ展
2017
Exhibition#001「いま、絵を ということ。」 京都造形芸術大学(京都)
2019
「A-Lab Artist Gate 2019」 あまらぶアートラボ A-Lab(兵庫)
「理想」と「虚構」、「安堵」と「恐怖」、「支配」と 「従属」。現実にはこのような相反する要素が漂い、 それらが圧縮され先鋭した形で我々の前に立ちはだかる。我々の脳内は常にこれら相反する要素が共存し、互いを飲み込み合いブラッシュアップされる事に追われている。私はさながらその過程を表現している。
Ideal and fiction, anxiety and fear, domination and subordination. These conflicting elements are everywhere in reality; they stand in front of us compressed, in a sharp shape. In our brains, these conflicting elements coexist, swallowing each other and being brushed up. I simply express this process.
彼女の作品には、高い技術によって精緻に残像が描きこまれている。話を聞いてみると、彼女は「理想」や「虚構」、「事物の歪曲」など、相反する関係にある事物の共存やその関係に興味があるという。その言葉の通り彼女の作品には、本来時間を持たない静止画であるペインティングの中に、残像が主体となる映像の逆説的特性がありありと現れている。
私たちが生きる現代は情報に溢れ、アプリを使えば簡単に顔を変えることができ、バーチャルとリアルとの境界が薄まりつつある。そんな時代において、認知の歪みや、何をもって実体と考えるかなどの定義が揺らぐことに対し、人は漠然とした不安を抱えるのである。彼女の作品はこのような心理的不安を表出させ、頼りない時代に生き相反するものの間を漂う私たち自身を描きだす。
(松川朋奈)