1996年タイ国ウタイ県生まれ。京都精華大学芸術学部陶芸コースにて陶芸を学ぶ。受賞歴に「京都精華大学2019年卒業・修了制作展」 学長賞。個展に「白樺ノ積雪」(まつい別邸 京都)、「記憶のスワン03/花送り」(ドラフトギャラリー 京都)。「食器と飾器」(gallery恵風1F 京都)、「SO KO store」(gallery Lv.10 大阪)などで作品展示の他に展示会企画やディレクションも行う。主に器物のフォーマットからなる工芸作品を用いたインスタレーション作品を制作。
受賞歴
2016
「わん・碗・ONE展~次世代を担う若者の作品展~」優秀賞(京都)
2017
「わん・碗・ONE展~次世代を担う若者の作品展~」優秀賞(京都)
2018
「京都花鳥館2018」入選(京都)
2019
「京都精華大学2019年卒業・修了制作展」 学長賞(京都)
個展
2016
「霜降」cocon烏丸 kara-S(京都)
2017
「霞灯」まつい別邸(京都)
「影立凛花」7-23ギャラリー(京都)
「植悦」喫茶月兎耳(京都)
「蒼い葭」まつい別邸(京都)
「ヱ」event space BABAbamboo(京都)
2018
「白樺ノ積雪」まつい別邸(京都)
「記憶のスワン03/花送り」ドラフトギャラリー(京都)
2019
「花縁」アンジェ·ボン·ルバス(京都、神奈川巡回)
「SO KO store」gallery Lv.10(大阪)
グループ展
2017
「rival」kara-S(京都)
「食器と飾器」gallery恵風1F(京都)
「唐突」名古屋栄三越(愛知)
「あの手この手展」アミューズミュージアム(東京)
2018
「解光」gallery maronie 5F(京都)
「fermata」アートギャラリー北野(京都)
「肉屋草屋」VOU(京都)
「合同陶芸展」galleryフロール(京都)
「SEIKA JACK」galleryフロール(京都)
2019
「あまやどり」FLAT space(大阪)
アートフェア
2019
「ART OSAKA 2019」DMOarts(大阪)
茶室などの日本の古典的なフォーマットを用いて、工芸作品を制作する中で自身の作品に介在した異国性を感じた。母国タイでその表現のルーツを見つける。作品「記憶のスワン」では、蓮の形をした器を複数配置し、陶芸の工芸的側面の中に内包するアート性を表出とさせていく。記憶の風景は再構築され、そこに居たかもしれない渡り鳥を私は自分と重ねてしまう。そうして私は作品を通して一人の人間としての自分自身を探している。
I found a sense of exoticism in the work I had created, while producing crafts under traditional Japanese formats like the tea room.
I found the roots of those expressions in my home country of Thailand.
In “Swan of Memory”, lotus-shaped vessels are positioned to express the internal artistic nature of craftwork in pottery.
The landscape of my memory is reconstructed, as I imagine to be the migrating birds that might have been there.
And this is how I search for myself, an independent human, through my work.
タイには、宋胡録(すんころく)と呼ばれるやきものがある。そのなかでも唐草文様を描いた小さな香合は、桃山時代から茶人や趣味人のあいだで珍重されてきた。タイを故郷とする野田の作品からは、かつて宋胡録に向けられた「異国趣味」を感じ取ることができる。たとえば、《記憶のスワン》と名付けられた連作では、蓮の花から着想を得た器物が等間隔に並べられ、熱帯・温帯地域の水辺の情景を想起させる。野田は微かに匂わせてくるのだ。今後も、タイと日本という二つの土地を渡り鳥のように行き来しながら、今日における東洋の陶磁文化を探ってもらいたい。
(中村裕太)